ショウタイム

D7

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思わず、私は振り返ってしまったんです。

 クマが突進してくるのを……片手でいなして……クマを地面に転がしたんです。

 また位置が入れ替わって、彼の顔が私に見える位置にいて……

 今でも、よく覚えています。彼は転がったクマのお腹に手を当てていて、馬乗りになっていて……顔の左半分に、刺青のような模様が浮かんでいました。

 本当なんです! ウソじゃなくて……え? その、模様を詳しく、ですか?

 ……あ……いえ……今までの先生は、みんな、『そんなの恐怖が見せた幻覚だよ』って一笑に付されたので……

 模様は……円を描いている……螺旋かな? 左巻きで……色は赤黒くて、それが、左眼から首筋に伸びていました。いえ、右の顔はそのままで……もちろんです、普段は刺青なんて……そんな生徒が校内にいたら退学させられてしまいます。

あと、左眼の色が反対になってました……白目の部分が黒目に、逆に黒目の部分が白く……ええ、カラーコンタクトなんて、彼はしていませんし……はい、左眼だけです。手にも顔と似たような模様があって……はい、腕にもその模様は伸びていました。推測ですけど、左半身全部がそんな感じの刺青めいたものが浮かんでいたと思います。

 そして、何か叫んで……クマの大きな手が、パタン、と動かなくなっていたんです!

 それと……周りの草木が、枯れ始めたんです! 彼に近い草や木から、順々に!

 私は、怖くて、怖くて……間違い無く彼に殺されてしまうと思って……

悲鳴をあげて……気絶してしまいました。