ショウタイム

ルィスパ

ルィスパ

「で、三島晶子さん。その時のこと、詳しく思い出せる?」

「……はい」

 私は、友達に紹介されたカウンセラーさんに相談に来ていた。椅子に座る私の隣りには、この病院に勤める女医の柊先生。

「あれは……高校一年の、登山遠足の時です」

 私が通う戸崎西高校では、夏に登山遠足というかなり時代遅れなものをする慣習があるんです。標高、約三百メーターの山を、えっちらおっちら登るんですけど……電車で、その山の近くまで行くんですけど、駅から山まで、片道十キロあるんで……ええ、それだけでも結構大変なんです、実は。

 それから……必ずと言って良い程、登山中に怪我人が出まず。山登りといっても、かなり急斜面で……運動部に所属している人は、それでも日頃から運動しているから、どうにかなるんですけど……私の場合は、日頃の運動不足がたたって……足を、挫いちゃったんです……山の頂上近くで挫いてしまった上に、私は登るのが遅い方だったんで、体力に余裕のある人がもういなくて……

 私は、とりあえず待つことにしたんです。